SSブログ

最後のヨーロッパ旅行 - 中欧四都物語 (その6) 美しいプラハに再び魅了され [欧州鉄道旅行]

結局ぐっすりと眠ることなく無常にも目覚ましが鳴り、朝が来てしまいました。相変わらず風の音が強いのですが、カーテン越しに外を見ると、普通に車やトラムも動いています。まあ余計な心配だったわけですけれど、今は通常の心理ではいられないのも仕方ありません。

この日のウィーンは冷たい雨。前の日にフロントで聞いたところでは、すぐにタクシーは手配できるということだったので、チェックアウトのときにタクシーをお願いしました。来るときは地下鉄でしたが、事故や故障などで動かなくなると困るので、ここはタクシーで移動です。

この日は9時半にウィーンのMeidling駅を発ち、プラハに向かいます。ここは遠くて5時間近い旅になります。日本を発つ前に書店でガイドブックを見た際、中欧3か国を鉄道での移動は厳しいかな~と思ったのですが、それがこの区間。でも、もうパリ~ニース間5時間とか、氷河特急8時間とか経験した後だと、なんてことないって風に普通に企画してしまいました。

余裕を持って着いたので、駅の待合室で暖を取ります。ホームを見に行くと、ホームは少し高い所にあることもあって、猛烈寒い。3日前のブダペストがウソのようです。駅の待合室には、日本人の家族・親戚らしいグループがいました。そういえば、ヨーロッパ旅行では最近中国人の進出が著しいですが、この旅行ではまだ見かけていないです。

列車の到着が近くなるとホームへ移動。到着した列車は、昔風の特急列車で、あまり最新鋭ではない様子。中でトイレに行ったときに、車両の扉のところにハンガリー全土の地図が出ていたので、ハンガリー国鉄の車両かもしれません。

プラハまで長いので、ここではお昼に食堂車で食事をしました。食堂車っていいですよねぇ。でもこの列車のはまさに「食堂」風で、メニューもあまりめぼしいものがなかったのですが、チキンカレーを選択。なんだか不思議な味でしたが、まずまずでした。この間、標高の高い所を通っているのか、雨が雪に変わっていました。確かに周りの風景は、森の中です。ボヘミアの森だろうか~などど思いつつも、プラハもこんな雪だったらつらいだろうなぁ、と思うのでした。

実は私はプラハに数年前に来たことがあるのです。ほぼ今回と同じ時期で、3月の初めのプラハはまだまだ寒かったのを記憶しています。だいたい、最高気温が2度ぐらいで、みぞれが降っていました。今回の天気予報ではそこまで寒くはないようですが、列車からしんしんと降る雪を見ると、寒そうだな~との思いが強くなっていきます。

しかし、プラハに近づいたら雪は止んでいました。長い列車の旅ももう終わり、いよいよ美しい街プラハに到着です。数年前に来たときに旧市街のあまりの美しさに感激して、写真を撮りまくり、寒いのにあちこちフラフラと散策して魅了されていたのを思い出します。今回初めて来た夫がどんな感想を持つか楽しみです。

プラハの駅では、出口が今一つ分からず、駅構内をだいぶうろうろしてしまいました。つまりはとても大きい駅なので、次の出発のときは時間をつぶすのに困らなそうですけれど、時間をだいぶ無駄にしていまいました。その後、ホテルに向かうも、どうも反対方向に進んでしまい、時間に加え、エネルギーまでロスしてしまいました。幸い、私が見覚えのある建物があり、それがそうとなると、ホテルは反対方向のはず、と分かったのでした。それで位置感覚も分かり、もう大丈夫。なのですが、プラハの美しい街は、古い石畳でどこもガタガタ。雰囲気はとてもいいのですが、スーツケースを引きずるのはかなり大変でした。せっかく直した車輪もすぐに痛みそう・・・しかし、この間、すでに真っ黒の火薬塔が見れて、もう感激! 

この日のホテルはマリオット。その数年前に来た時と同じです。ホテル自体とても良かったし、旧市街の観光には抜群のロケーションで、なおかつ鉄道駅にも歩いていける、ということでここにしました。

荷物を置いたら早々に観光に出発。まず近くにあったイタリアの銀行Uni CreditのATMで現地通貨を引き出します。チェコもまだユーロが導入されていないんですよね・・・それから市民会館を眺めながら(前にここで夕食を食べたことを思い出しながら)、火薬塔へ。

火薬塔のたもとに中世の騎士のような恰好をしたお兄さんが呼び込みをしていて、それにつられるように塔に入ることにしました。中に入るのは初めてなので、これは楽しみ。それなりの高さがあるので、上まで登るとプラハ市街が一望でき、それはそれは見事です。これから行く旧市街の方向や、今歩いてきた駅の方、プラハ城など360度のパノラマを確認しながら楽しみました。

火薬塔を後にし、旧市街広場へ向かいます。この辺りからの街並みが本当に素敵。ヨーロッパに素敵な街はいっぱいありますが、プラハの魅力は格別に感じます。すでに夫も大感激の様子。キョロキョロと見入っているうちに、旧市街広場に到着しました。

この広場も歴史的な建物に囲まれ、とても素敵なところです。2本の尖塔が印象的なティーン教会や、仕掛け時計で有名な旧市庁舎など見どころが豊富です。また、ヤン・フスの銅像なども建っていて、美しいだけでない激しいプラハの歴史の一面も少し考えさせられたりもします。この日はマーケットが並んでいて、とても賑やかでした。

それから迷路のような旧市街の街並みを歩いた後、いよいよカレル橋です。この火薬塔から旧市街広場を経て、カレル橋に至る街が私は大好きで、初めて来たときは目を奪われて何度もこの辺りを行ったり来たりしたのを覚えています。まさか再び来れるとは。そして、カレル橋とモルダウ川。向こうにはプラハ城。これもまた旧市街とは別の魅力をたたえています。私が来るときはいつも暗い曇り空のせいか、「陰」のイメージなのですけれど。そして絶対にスメタナの「わが祖国」のメロディを心の中で奏でてしまうのです。曇り空がピッタリ! さらに、プラハの春と重なってしまうのですね。。。美しさと裏腹な悲哀のこもった歴史に思いを馳せずにはいられません。

カレル橋を渡り、プラハ城までは登りもきついし、遠いから、もうちょっとで引き返しましょう、となり、マラー・ストラナ広場にある聖ミクラーシュ教会を観光してこの日は終わりとすることにしました。ここも前回入らなかったところなので、楽しみでした。入ってみると大理石の柱などがピカピカしていて、比較的最近修繕したのかしら、と思うような造りでした。そのためか中欧の教会にしては、豪華さを感じてしまいましたけれど。

この日の夜もやはりホテルのレストランで夕食。客も私たちしかいなくて、サービスしてくれるのかな、という雰囲気でしたが。地元プラハの料理らしいものと、珍しいチェコの赤ワインを味わいました。

しかし、この日の夜、じんましんの発疹が。。。これまでの心労がたたったのでしょうか。なんらかの料理のせいかもしれませんが、ストレスの影響もあるに違いありません。これがきっかけで、帰国までたびたび発疹が出て、結局これが帰国後の強烈な慢性じんましんへと発展してしまったのでした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。