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秋のパリとコート・ダジュール(その5) ニースから山奥の村へ、そしてイタリアの海沿いの町へ [欧州鉄道旅行]

ニース3日目は、ニースからローカル線に乗って山に向かうというものです。当然、普通の観光ガイドブックには載っていないもので、「フランス鉄道の旅」で知ったものです。

4 地球の歩き方 By Train フランス鉄道の旅 (地球の歩き方BY TRAIN)

4 地球の歩き方 By Train フランス鉄道の旅 (地球の歩き方BY TRAIN)

  • 作者: 地球の歩き方編集室
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 単行本


ニースからタンド(Tende)という山奥の村に行き、そこからそのままニースに戻るのではなく、イタリアの地中海沿いの街ヴェンティミリアに向かって、その後海沿いをニースに戻るという、いずれもローカル線を利用したのんびりした旅。想像するだけでワクワクします。このタンドに向かう列車は、単に山道・田舎道を行く、というものではなく、渓谷沿いを行ったり、ループトンネルがあったりとなかなかの景勝路線のようです。9:05にニースを出発する列車は、「トラン・デ・メルヴェイユ(Train des Merveilles→素晴らしい列車)」の名前が付けられている観光列車となっていて、フランス語・英語で沿線の案内をしてくれるガイドまで乗りこんでいます。

私たちもこの9時5分ニース発の列車に乗ることにしました。というのも、RailEuropeなどで調べてみたところ、そもそも本数が非常に少ないので、これで行かないと昼間のうちにニースに戻ってこれないようなんですね・・・

さて、前日のモナコ行きの経験から、すぐに切符が入手できないといけないので、このタンド・ヴェンティミリア周遊の鉄道チケットは、前日モナコから帰ってきたときに買っておきました。

それで早めにニース駅に着いて、発着案内を見ると、確かに9:05にTrain des Merveillesが出発とありました。その案内に従ってプラットフォームに行き、列車に乗り込みました。この日のガイドの方(どうも「フランス鉄道の旅」に写真で出ている方と同じよう)がパンフレットを配ってくれました。どうも日本人など珍しいようなので、ガイドの方も嬉しそうです。日本では全く知られていない観光地と思いますが、現地ではやはり有名のようで、短い編成のこの列車も満員になってしまいました。

ニースを出発するとしばらくして、都市から来たのが信じられないくらいにのどかな景色の中を列車は走るようになりました。配ってくれたパンフレットは、主だった駅のある村の写真や観光名所案内などが紹介されていて(と言ってもフランス語でした)、それと照らし合わせながらの旅はとても楽しい。詳しい沿線の説明は、「フランス鉄道の旅」にありますので、そちらをご参照いただきたいのですが、この沿線ははっと目を引くような派手な景観はありませんが、渓谷や深い山間の中にポツポツと村があり、教会や古い家々が寄り添うようにひっそりと佇んでいて、それらの景色はこれまで楽しんできたものとは異なり、とても印象的です。

ニースから1時間15分でタンドに到着。30分後ぐらいにタンドを出るイタリア方面行きの列車に乗るため、しばらくタンドの村を散策。イギリスの田舎の村とはまた風情の違う、イタリアにほど近いフランスの静かな村。こじんまりとした広場があり、その周りに八百屋や日用品の小さなお店が軒をつらねています。できればもうちょっと先まで歩を進めてみたかったのですが、残念ながら時間がありません。村のシンボルのような教会の写った絵ハガキを記念に買って駅に戻りました。

タンドの駅は、プラットフォームがだ~んと伸びているだけで何もありません。山の景色を眺めていると、朝、地中海からやってきたとは信じられないくらい。長いホームですが、どこに列車が停まるか分からないので、列車を待つ数人の近くに立って待ちます。列車は定刻から数分遅れましたが、タンドの先のイタリア方面からやってきました。ティラーノから乗ったミラノ行き列車と同じデザインで、同じように外観が汚い・・・でも2度目ですからぎょっとはしません。思った以上に長い編成で来ましたが、ドアの開け方が分からないといけないので、人が乗るところに一緒に乗り込みました。

とりあえず無事乗れて一安心。この慎重さって結構重要で、実のところ、この先2つ目ぐらいの駅で、この列車に乗ろうとしていた数人がいたのですが、ドアを開けられなかったようで、あれこれしているうちに列車は出発してしまいました!!! えーっ、そんなことってありなんですか? さすがイタリアの列車! と思いましたが、自分だったらと思うとぞっとしてしまいます。そんなに本数ないのにーーー。

イタリア方面の列車は、ブレイユ・シュル・ロワイヤ(Breil-sur-Roya)という駅でニース方面と分かれて、イタリアへ向かいます。先ほどニースから来た時に、眼下に線路が見えて、あれは何だろうと思ったのですが、今になってこの線路が見えていたのだ、と納得。目を上げると、上にフランス方面の線路、というか高架が見えました。

イタリア方面の沿線もとても綺麗で、こちらは渓谷と渓流が続いてこれまた印象的。こんな美しいところがあるとは、と驚きです。国境を越えてイタリアに入ると、駅名表示が変わるので、イタリアに入ったと分かります。イタリア国鉄の駅名表示は大きくて、字も見やすく、分かりやすい。ヨーロッパ内では、私は一番のお気に入りです。

海が近づいてきて、ヴェンティミリアが近づいてきました。この列車がどこ行きかは分からないのですが、ヴェンティミリアが終点ではないようなので、近づいてきたら降りる準備をしました。幸い、降りる客も多く、困難なく下車できました。ホッ。

ヴェンティミリアも地中海沿いの明るく、カジュアルなリゾート地といった雰囲気で、とてもリラックスした居心地のよさを感じます。街の地図など当然ないので、こっちが海だろう、と思う方面に伸びる一本道を歩いていきました。道沿いにはショップやカフェが立ち並び、とても開けています。たまたま銀行のATMを見つけたので、ここでユーロを少し降ろして、再び海へ向かいます。列車の線路に沿って流れてきた川がここで海にそそいでいるのですが、川向こうの海沿いに小高い丘があり、そこには教会や古い街並みがあるようで、ちょっと魅力的。その反対側の海沿いには、リゾートホテルやレストランがありそうです。そしてありました。ちょっと観光客向け風で、やばいかなぁ、という気はありましたが、そこで海の幸パスタをいただくことにしました。

見渡す限り一面の地中海を眺めながら白ワイン(夫はイタリアビールのモレッティ)と海の幸パスタ。シチュエーションは最高でしたが、パスタはイタリアとは思えないほどゆるゆるで、イギリスのほうがましじゃん、といえるほど。やっぱり、観光客相手なんでしょうかね・・・ちょっと料理にはガッカリ。店員たちはイタリアのおじさんたちばかりで、東京の話などを英語でしましたが(みんな英語はしゃべれる)、ニースからほんの数十分列車で来ただけなのに、明らかにフランスの人と違う、「イタリア男」で、こんなに違うもんかなぁと改めて驚き。この違いが面白いですけどね。

店を出てからしばらく海岸線を歩き、旧市街(その教会のある小高い丘は旧市街だと店の男性が教えてくれました)を写真に撮ったりした後、ニースに戻るべく駅に向かいました。旧市街にも後ろ髪を引かれる思いでしたが、この後ニースの観光第2弾があるので、戻ることにしました。

ヴェンティミリアからの列車はモナコ止まり。列車はそのまま海岸線を走り、レモンなどで有名なマントン(Menton)を通り、美しい湾などを眺めながらモナコに到着。乗り換えてニースに戻りました。このコート・ダジュールの車窓からの眺めももう見ることはないかもしれない。でもできればもう一度は来たい、と青い海とはうらはらなセンチメンタルな気分になるのでした。

この後のニース観光は、また次回。

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