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秋のパリとコート・ダジュール(その3) ゴージャスな国モナコ [欧州鉄道旅行]

ニースでの2日目はモナコへ出かけました。イングランド北部と違い、ここコート・ダジュールはこの日もまずまずの天気で半袖に短かめパンツでも歩けるのが嬉しい。

ニース駅まで歩いて行き、切符を買うためにカウンターに行くと、3つある窓口の一つしか開いておらず、長い列ができています。止むを得ず並びますが、いつ買えるか先が長そうです。モナコまではまずまず本数はあるものの、できれば予定していた列車に乗りたい。そこで、そこに1台ポツンと置かれていた自動券売機にチャレンジしてみることにしました。夫に列に並んでいてもらい、トライ。タッチパネルのセンサーが非常に鈍くて、力任せに押さないとなかなか反応しなかったのですが、それでもクレジットカードで購入。たかだか20分程度しか乗らないというのに、TGVのチケットのような巨大なチケットが出てきたのにはビックリしました。

夫の列は全く進展しておらず、トライして良かった。これで予定していた列車に乗ることができました。モナコ行きのローカル列車は総2階建(といっても編成はとても短い)。2階の海側の席を陣取り、いざ出発。途中、エズなどの観光地を過ぎていきました。小さな漁村のようなところでも、西洋人観光客が乗り降りしていて、もし何度もコート・ダジュールに来る機会があれば、こういうところを散策するのもとても楽しいに違いない、とあまり実現できそうにないことがちらっと頭をよぎりました。

モナコの駅は、岩山の中にくり抜かれた駅でやたら豪華でした。1999年完成とのことでしたが、つい最近できたかのようにとてもきらびやか。高級な国モナコにふさわしい玄関口でしょうが、少し私にはギラギラしすぎかも。モナコでは、まずモナコ大公殿などのあるモナコ・ヴィル地区に行こうと思っていたので、そちら側の出口から駅を出ました。するとなんてことない丘の斜面に突然出て、そこからどうしたらいいかさっぱり分かりません。とりあえず坂を下ると、再び目の前に相当小高い丘があるので、この上に宮殿があるに違いないと思い、今度は急な坂を登り始めました。結局それは正解で、途中からモナコ港や街の様子が手に取るように見えるようになって、感激。モナコ・グランプリのコースも見えます。街からすぐに急な丘というか山がせまっていて、斜面に張り付くように高層マンションが立ち並んでいます。しかし、このモナコの空気感、港をはさんだ丘の上にいても伝わってきます。これまで訪れたどの街にもない高級さ、上質さが支配しています。かと言って、成り金風ではない。普通に趣味良く豪華な印象なのです。いいですね~。自分もこの空気をよく浴びて、あやかりたい気分です。

港を見て一休みしたら、再び坂を登り始め、丘の上に着いたら広場と宮殿が見えました。パレ広場とモナコ大公殿です。パレ広場から宮殿の反対側には、土産物屋やカフェが立ち並び、旧市街風の細く曲がりくねった道が見えて楽しそうです。でもとりあえず先にモナコ大公殿を見学することにしました。ここでは、入場料と一緒に音声ガイドも借りられるので、日本語のガイドを利用しました。こじんまりした宮殿でしたが、見どころも多く、ガイドの解説にあったのですが、この小さな宮殿に数百人が今でも勤めているということは驚きでした。また、中庭とそれを取り囲む回廊がとても開放的で、これまで訪ねた北の国の宮殿や城とは違う広々とした印象を受けました。やっぱり南国ですね。その後、グレース・ケリーが結婚式を挙げたモナコ大聖堂を見学し(ここで日本人観光客の団体に遭遇)、土産物屋をぐるぐる見て回った後(グランプリのダウンなどが多かったですが、中国製です)、ミニ・トレインに乗ってモンテカルロに移動しようと乗り場に行ってみました。

しかし、次の出発時間までだいぶ間があります。その前には海洋博物館などもありましたが、それを見学するよりは歩いて行こうということにして、意を決して出発。この辺りは高台のせいもあってか、とても強い風が吹いていて、地図などを広げて見るのは難しい状況でしたが、坂を下るにつれ風は弱まっていきました。そこから、グランプリのコースに沿って港をぐるっと回って行き、再び坂を上ってモンテカルロに向かいます。港に停泊中のヨットを近くで見ると、1艘1艘が実に巨大。貧乏人の家より大きいようなヨットが港にぎゅうぎゅうに停まっています。これまで湖や港町で停泊しているヨットをいっぱい見ましたが、やっぱりモナコに停まっているのは全くその規模が違いました。

私たちが目指していたのは、モンテカルロのフェアモント・ホテル。そこのレストランで海を見下ろしながら、プロヴァンス料理をいただこうというつもりでした。しかし、フェアモント・ホテルは、モンテカルロの海に突き出た公園の先にあって視界に入らないことから、その手前でくじけそうになりました。お腹はペコペコだし、目標物は見えないし、坂が多くて歩き疲れたし、で、この辺で適当にすませようか、という気分になりつつあったのです。ただ、この突端を回ったところまで行ってみよう、と珍しく執念を出して、海沿いの公園の下を延々と歩いてみると、そこを出たところがフェアモント・ホテルの入り口でした。やった!

それで予定通り、フェアモント・ホテルの最上階にあるL'Horizon Deckというレストランで食事をいただいたのでした。ロケーションも最高でしたが、サービス係のホスピタリティも素晴らしく、料理も洗練されていて申し分なく、ここまで頑張ってきて良かったと思いました。料理が素晴らしいため、昼にも関わらずワインをいただいてしまうほど。高級レストランですが、まったくスノッブなところがなく、とても居心地がよかったです。別のテーブルでは、4人の男女がビジネス・ランチをとっていましたが、4人それぞれ国籍が違いながらも英語で会話をしていて、これがモナコなのだ、とリゾート地だけではない一面を垣間見ることができたような気がしました。

フェアモント・ホテルはゴージャスな巨大ホテルですが、もし再びコート・ダジュールに来れることがあれば、今度はニースではなく、モンテカルロのここに泊るのもいいなぁ、とまた実現可能性の低いことを夢に描いたりしてみました。

食事の後はニースに戻り、ホテルで一休みをした後、モナコでは乗れなかったミニ・トレインに乗ってニース観光をすることにしました。

続きは次回。

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