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最後のヨーロッパ旅行 - 中欧四都物語 (その8) ドレスデン観光 [欧州鉄道旅行]

数年前の雑誌の特集で、第2次世界大戦の傷跡から見事に復活したドレスデンという記事と写真を見て、いつか行ってみたいと思っていたのですが、プラハからこうして列車で来るなんて思いもよりませんでした。結局、イギリスへの再入国をユーロスターによる陸伝いに限ったことで、ドイツを中心に走っている夜行列車を活用することになり、その路線図などを見ていくうちに、どうせならドレスデンも観光しよう、となったわけです。ですので、ドレスデンに寄ることを決めたのは、イギリス暮らしを始めてからだいぶ経ってからのことでした。日本を発つ前には思いも寄らないことでした。

朝一番に訪問するのは、もちろんツヴィンガー宮殿です。まず中庭を散歩し、庭を取り囲む壮大なバロック建築を観察します。その後は、アルテ・マイスター絵画館の鑑賞です。有名なのは、フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」とラファエロの「システィーナのマドンナ」など。ここにはフロアマップはなく、中に入ってキョロキョロしていると、係員のおばさんが「フェルメール?」と声をかけてくれました。だからドイツ人って好き! 日本人がキョロキョロしているだけで、分かってくれて(たぶんそういう日本人ばかりなのでしょうけれど)、そのように声をかけてくれる。それでフェルメールの絵のところまで案内してくれました。少し陰のあるフェルメールの絵。ここもこの絵の前には誰もいなくて、ゆっくりと鑑賞することができました。その後は、ラファエロの絵を探しにいき、鑑賞した後は、ゆっくり順番に巡っていきました。他にもマリー・アントワネットの若い頃の肖像画とか(それは、横を歩いていた日本人観光客のおばさんの話を聞いて気が付いたのでした。有難い。)、だいぶ忘れてしまったのですが、有名な絵画が多く、ゆったり配置されているので、ゆっくりじっくり鑑賞することができるいい美術館だと感じました。

ちょうどお昼どきになったので、エルベ川沿いに向かい、ラーデベルガーの直営レストランに行きました。ここと工場でしか飲めないという濾過前のビールが味わえるとあって、ビール好きには垂涎ものです。私は雰囲気を味わうだけですが、ウィンナーがやっぱりドイツは美味しいと感じるのでした。Radebergerは日本に帰ってから、デパートや高級スーパーなどで売っているのを見かけて、何度か買って帰り、ドレスデンのことを思い出すのでした。

その後、エルベ川に架かる橋を渡って、対岸からドレスデンの見事に復興なった街並みを味わい、再び戻って大聖堂の中を見学。とても質素なドイツっぽさを感じました。

それで再びツヴィンガー宮殿に戻り、陶磁器コレクションを見学しました。マイセンが近いだけあって、錚々たるコレクションが楽しめます。最初の部屋は、中国や日本の大ぶりな磁器が並んでいて、普通の博物館のようでしたが、次の部屋に入ると、動物の形の巨大な磁器ばかりが並んでいて、モチーフ自体があまり見ない面白いものであること、一つ一つが大きいこと、数が多いことなどから、すごく面白いというか、興味深いというか、よくまあこれだけ作らせたな、とちょっとあきれたりといろんな感想を抱きました。さらに別の部屋には、精巧な細工をほどこした巨大な磁器(食器ではなく、置物)がこれでもか、と並んでいて、その技術の高さには圧倒されました。

その後はツヴィンガー宮殿を後にして、ノイマルクト広場の方向に向かいました。広場回りにあるカフェの一つでしばし休憩。その時、今日の晩は和食が食べたいね、となりました。ここに来るまでにヒルトンの前を通ったのですが、そこに和食レストランの看板があったんですよね。それなりにおいしいとは言ってもやっぱりイタリアやスペインとは違うし、今回は疲労度も違うので、さすがに和食でほっと一息つきたい気分になりました。昨今の和食ブームで食べたいときに、食べれる環境があるというのは有難いことです。

休憩の後、フラウエン教会の中に入ろうと思ったのですが、理由を覚えていないのだけれど、結局入らず、この後ヒルトンの和食レストランの場所と開店時間を確認し、ドレスデン城へ。

ドレスデン城の展示すべてを見ることはできませんでしたが、数多くの手工芸品を見て、かなり満足したのを覚えています。

お昼があまりに軽かったので、もう腹ペコで我慢ならなくなった私たちは、開店時間の10分前にはレストランに着き、前に並べてあった椅子に座って待っていました。すると私たちに気が付いた日本人か中国人の女の子がお店を開けてくれました。おー、イギリスではありえない! と再び感動。何を食べたかまるで覚えていないのですが、とにかくほっとしてくつろげたことを覚えています。

この日は、夜9時前にドレスデンを発つ夜行でケルンに向かいます。雑誌で見たCity Night Lineは豪華寝台列車との触れ込みでしたが、来た列車を見ると普通の特急列車のようです。やっぱりハンガリーあたりの車両のようです。かなりがっかり。それでこの列車は、ハンガリー辺りからきて、ケルン止まりだと勝手に思い込んでいたのですが、なんとアムステルダムまで行くのでした。ケルンで乗り遅れないように気を付けなくてはなりません。私たちが予約した席は、個室でシャワー・トイレ付の一番いいものではありましたが、アメニティなどはルジタニアのほうがはるかに良く、再び落胆したのでした。まあ、いいでしょう。夜行の旅もこれが最後。もうこんなことは経験しないに違いありません。

明日の朝も早いので、すぐに着替えて寝に入ってしまいました。

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